通常、Kindle出版するためには以下の手順で必要なデータを用意し、AmazonのKindle ダイレクトパブリッシング(KDP)という個人出版用のサイトにデータをアップロードすることになります。
- wordなどのエディタでテキストデータ(挿絵や写真などを挿入する場合は画像データも含む)を作成し、epubファイルで書き出す
- epubファイルをKindle Previewerでmobiファイルに変換する
- mobiファイルをKDPにアップロードする
しかし、Vellumを使うと…
- wordなどのテキストファイルを直接mobiファイルに変換
- mobiファイルをKDPにアップロード
という2ステップで済みます。
Vellumは、Kindle出版の手順を簡素化してくれるばかりか、書体や表紙の追加などもできる優れたソフトウェアです。
これからKindle出版に挑戦する方はもちろんのこと、既にたくさんKindle出版されている方にも役立つソフトウェアですので、ご紹介させていただきます。
もくじ
Vellumとは?
Velllumは、電子出版用のデータを作成するソフトウェアです。
Kindle出版専用のソフトではなく、iBookやkobo用のデータ書き出しにも対応しています。
Vellumはエディタではありませんので、Vellumで文章を書いて電子出版用のデータを作成することはできません。
電子出版用に用意したデータを、各種電子出版プラットフォーム用のデータに変換するソフトです。
ただ、単なる変換ソフトとは違って、Kindle PreviewerのようにKindle端末やiPad上でどのように表示されるかエミュレーションができる機能があります。
また、作者名や表紙の追加といった、電子書籍を作成する上で必要な項目を簡単に追加できるという機能もそなえています。
ですので、Vellumを使えば、Kindle Previewerを使うよりも、Kindle出版用のデータをより簡単に、より美しく作成することができます。
なぜVellumでKindle出版が簡単になるのか?
冒頭でも触れましたが、Vellumはwordなどの電子出版用のテキストデータを直接mobiファイルに変換できます。
ですので、一旦epubで書き出して、そのepubをKindle Previewerでmobiファイルに変換する手間が必要がありません。
もし、VellumでKindle端末上での表示をエミュレーションしたときに問題があれば、もとのファイルを編集しなおせばいいだけです。
不具合が見つかるたび、いちいちepubを書き出す必要はありません。
このあたりは文章では伝わりづらいので、実際にVellumを使って電子書籍用のデータを作成している動画を紹介します。
Vellumの使い方
どうでしょうか?英語ですが、なんとなくVellumの使い方が伝わったのではないでしょうか?
wordファイルを直接Kindle出版用のmobiファイルとして書き出せるのはもちろんのこと、表紙・作者名・参考書籍といった、本を書く上で必要になる項目を簡単に追加できる機能が備わっていたのが確認できたと思います。フォントや表示スタイルを変える機能もありましたね。
非常に簡単に、しかも美しく電子出版用のデータを作成できるので、セルフパブリッシャー必須のソフトだと言えます。(イラストレーターにとってのPhotoshop的な)
しかし、Vellumは良いところばかりではありません…
正直ちょっと残念なところもあります。
Velllumのココがちょっと残念かも…
日本語対応していない
記事筆記時点で、Vellumは日本語に対応していません。
ですので、操作画面はすべて英語です。英語が苦手な方は使いづらいですね。
mac専用
また、VellumはMac専用ですので、Windowsユーザーの方は使えません。
どうしても使いたければ、VMwareなどの仮想化ソフトを使ってwindowsにmacをインストールするか、macのパソコンを買う必要があります。
Vellumの価格
Vellumは2バージョン合って、それぞれ価格が違います。
- Vellum Press(ebookと紙の本のデータ作成用):249.99ドル
- Vellum Press(ebookのデータ作成用):199.99ドル
Kindle出版のためにVellumを買うなら、Vellum Pressの方で良いんじゃないかなと思います。
1ドル100円として2万円なので、まぁそこそこの値段ですね。安くもなく高くもなくといったところでしょうか。
本気でKindle出版で稼いで生計を立てたいと考えているなら、試して見る価値はあるかと思います。
⇒ Vellum | Create Beautiful Books
ちなみに、Kindle出版用のデータは、必ずしもmobiファイルでなくても大丈夫です。
wordファイルを直接KDPにアップロードして出版することもできます。
ですので、Vellumを使うメリットとしては…
- Kindle出版時の端末上でのデザイン変更(Kindle Previewerではできない)
- 著者名や表紙、タイトルなど、本に最低限必要な項目を簡単に追加できる
というところですかね。
体験版などがあると、気軽に試せるんですが、記事執筆時点では有料版しかないようです。